看護師お悩み相談室

　私は、第二色覚異常者です。赤と緑の区別が分かりづらいというものです。
　日常生活では、子どもの頃から“桜”の花の色はずっーと白だと思ってた。高校生の頃、バイト先のおっちゃんに「おい、そこの白い布切れを取ってくれ！」って言われた私は、白だと思った薄いピンク色の布切れを渡してしまい、「ナメてんのかおまえは！！」って怒られた。２０代になり、自分では地味だと思って買ったクルマの色が、実際はスゴく派手な色だったみたいで、周囲の人から「何で、こんな派手な色にしたの？」ってよく言われた。この他にも、「工業系の高校は入れない」「色弱だと大学も入れない」「色弱だと職種も限定される」といったことを知り、いろいろといやぁ〜な思いをしてきました。
　小学生の頃に自分が色弱であると知り、「どうせ自分は色弱なんだから」と、いろいろな夢をあきらめてきました。しかし、大人になってから『看護師になりたい』という思いが芽生え、３０代になってから看護学校へ入学し、３年間という学生生活・臨地実習・国家試験など、みんなと同じように苦労を共にし、乗り越えてきました。といっても、色弱が原因での苦労は、あまり記憶にないんですけどね・・・。
　しかし今は、看護師として病院で働いてます。患者さんの微妙な顔色・皮膚の発赤の程度・糞便に血が混じっているかいないか、などなど、分かりにくい時があり、私が即座に何かを判断しなければならないときもあり、自分が“色覚異常者”であるということが、だんだん怖くなってきました。でも、看護の仕事は続けたい。どうしよう・・・。（一番怖いのは医療事故です・・・。何か重要なモノを色で分ける方法って、結構多いんですよね・・・。）
　そんな時、色弱を矯正するメガネ（掛けた時だけ見にくい色が見やすくなるというモノ）が実際にあるという事実を知りました。良さそうなモノなら購入を考えています。
　という訳で、ここで質問をさせていただきます。
　私のような、色覚異常者の看護師さんはいらっしゃいますか？ もしいらっしゃったら、どのように業務では工夫されてますか？
　また、実際に、業務中に“色弱矯正メガネ”を使用されてるかたはいらっしゃいますか？
もしいらっしゃれば、いらっしゃってくれただけで心強いです。
　よろしくお願いします。
ｍ（＿＿）ｍ

　現在中材と手術室で勤務しています。自分の場合は信号機の赤と黄色の区別がつかない事がある事（一応なんとか自動車免許は取得しました）や病棟のクーパーやメッツェンを赤や緑等のテープで区別していますが、時々色が褪せてくすんでしまった時に色を間違えそうになります。また、術中術野が血液で赤く染まるとなかなか臓器や手術の進行がわかりにくい事があります。でも、うまく言えませんが色の明暗で昔から色の区別をしている所があるのでどうにか不安もありますが続けています。ちなみに病棟にはこの事は話していません。
　
　一応色弱眼鏡（ダルトンレンズ）を持っていますが、仕事ではつけていません。理由はその眼鏡のレンズの加工で、サングラスみたいに反射する為、相手から目線が見えにくいです。病棟で患者さんと相手する上ではとてもじゃないですが、着けれるような代物ではないです。また、眼鏡も自分が購入した４年前のときにはレンズとフレームで１０万円以上していました。その上レンズはガラスなので、壊れやすい弱点もあります。後眼鏡は度がついていないので、度をつけるためには別途レンズを装着するように加工するか、コンタクトレンズを使用して、その上から色弱レンズを使用する方法があります。（ちなみについ最近レンズが普通のレンズで出来ているものが６〜７万円のも出ていますが、それは試した事は無いです）もうちょっとレンズが改良されて、普通の眼鏡だったら良いんですけどね。でも、着けたら確かに色が見えるようになります。例えば自分の場合は空や海の青い色がはっきりと深い「青」がみえて、信号機の色が区別できたり、花火やさくら、紅葉の色が今までくすんでいましたがきれいに見えました。又、静脈血と動脈血が今までくすんでいるかいないかでなんとか区別していましたが、眼鏡をつけているとはっきりと見えます。

　前文が長くなりましたが、業務中色が見えない事でヒヤリとする事が何度かありその度に「色弱じゃなければよかった」落ち込んでいるのですが、お互いに注意深くみていくようにして、頑張っていきましょうね。後、もしネットで調べるのであれば「ダルトンメガネ」って入れたら出ると思います。

さくらさんへ
　とても丁寧なお返事をありがとうございます。
　まず最初に、自分と同じような目の障がいで同じ職種のかたが世の中にいらっしゃったこと、自分以外に存在してくれてた、ただそれだけで、たいへん勇気づけられました。また、さらに、第一線（しかもオペ室というハイレベルな場所）でご活躍をされていることに、とてもとても勇気づけられました。
　色弱メガネのこと、さっそく調べさせてもらいました。確かに外観は、うっすらミラーみたいな感じのサングラスのように見えますね。うぅ〜ん、やっぱり業務中はちょっと厳しそうですね・・・。私は一般病棟で働いてるので、こんなサングラスみたいなメガネを病棟で掛けてたら、かなり浮いちゃいますよね・・・。この分野のメガネ（レンズ）は、まだまだ発展途上なんでしょうか・・・。世の中の色弱の人が、今よりもっと普通に医療従事職に就けば、こういったメガネ（レンズ）も進歩していくのかもしれませんね。“空の青”や“紅葉”はもちろん、静脈血と動脈血がハッキリ見えるのを体感してみたいです。
　日常生活において、色が原因で不便に感じることもありますが、さほど深刻には考えてませんでした。しかし、色を識別する力が原因で、何かの医療事故を起こしてしまったら・・・。幸いなことに、色弱が原因での“ヒヤリハット”は今のところありません。これからも“注意”と“工夫”で、看護の仕事を乗り切っていきたいと思います。
　お返事とても嬉しかったです。ありがとうございました。m(_ _)m