中心静脈カテーテル挿入患者には、フィルターなしでのルートでいいのでしょうか??
小規模の慢性期病院に転職しました。今までの公立病院では、中心静脈カテーテル挿入患者には、フィルター付きのルートを使用していました。転職先の病院では、中心静脈カテーテル挿入直接後と24時間キープは、フィルター付きのルートをしようします。しかし、その外は、普通のフィルターなしのルートを使用します。
いいのでしょうか。
薬局で無菌調剤時に必ずフィルターを通し、
病棟では調剤しないという病院ならフィルターはいらないようです。
ただ、ほとんどの病院では無菌調剤時にフィルターを通すことまではしていないようなので、この場合にはフィルター付き輸液セットを使用することが推奨されています。
推奨であって必ず使用するという強制でもありません。
フィルターより大きな粒子の薬剤では輸液フィルターを通過できないという理由から、フィルターを通過させずに注入しなければならないので、どのような薬剤を使うかでも違ってくるはず。
利点欠点がありどう使うかは病院任せなのだと思います。
中心静脈カテーテルの管理方法について、病院によって管理方法が違ったり、過去の経験からの知見が覆ったり、なかなか判断が難しい案件ですね。
NSTの名称が用いられてから暫く経ちますが、中心静脈栄養法もNSTの管轄ですので、NSTマニュアル等があれば目を通すのもお勧めします。
厚生労働省の「医療機関における院内感染対策マニュアル作成のための手引」によると、インラインフィルターは使用することになっています。
項目は→カテーテル関連血流感染対策 1 中心静脈カテーテルの衛生管理 1.13 輸液ライン 1.13.6 インラインフィルターを使用する〔170~174〕(ⅢA)
日本静脈経腸栄養学会編集の静脈経腸栄養ガイドライン第3版でも「インラインフィルターを使用する(AⅢ)」となっています。
推奨のランクは「A 強く推奨する」臨床研究論文のランク「Ⅲ 症例集積研究や専門家の意見」となっています。
日本静脈経腸栄養学会編集のガイドラインにも書かれていますが、アメリカでは無菌操作での薬剤混合と同時に薬剤の濾過もされているようです。そうであればインラインフィルターは不要のようにも思えます。しかし、日本で濾過までして払い出しているような病院は、かなり特殊なのではないでしょうか。
昨今の医療情勢を鑑みて、ガイドラインに即した方法で行われることが望ましいのではないでしょうか。輸液セットも無料ではありませんので全面的な方法の改定には躊躇する面もあるかもしれません。まずは正しい知識をスタッフ間で共有し、必要なことを少しづつ取り入れていける環境を目指してほしいと思います。
長文で失礼しました。
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