看護師お悩み相談室

こんにちわ。

４０代男性、２年前に頸椎損傷で不全麻痺、左手は指のみで握ることができますが手掌は拘縮が始まっています。左肩関節はMMT4で動きます。右は感覚はあるようですがほぼ動きません。
今回の入院は誤嚥性肺炎と両坐骨部褥瘡が主訴です。

この方はここ１年ほど誤嚥性肺炎による入退院を繰り返しています。
本格的に含嗽の指導などを行わなければならないのですが、拒否が激しいです。
普段から寡黙な性格の方なのですが「なんでやりたくないのですか？」「理由があったら教えてください」と聞くと顔の向きを変えて返事を下さらなかったり手で払いのけるような動作で拒否してしまいます。
また、清潔の援助もそうで、全身清拭を予定している日に「今日○時から行いますね」というと「いや、いい」と拒否されます。「温かいタオルだって！すっきりしよう」と指導者が横から声をかけても「いや、いいって！」と。「脚の乾燥がちょっと気になるのでせめて足だけでも拭いて保湿クリームを塗らせてください」と私が言うと「いいって！！」と徐々に語尾が強く、拒否されてしまいました。
どのような声掛けをすると理由を聞くことができるのでしょうか。

指導者は「やらなければならないことはいいとか悪いではなく、やるよ」とおっしゃっていました。もちろんやらなければいけないのは重々承知なのですが、その最終手段を取る前に、もう少し患者さんの気持ちに寄り添える方法が何かあればお教えいただきたいです。よろしくお願いします。

患者さんの気持ちに寄り添えるようにということは大切ですね。
けれど、初めに理由を確認できなければだめでしょうか？

唐突にすごく個人的な考えにになっちゃいますが…何かを選択できるって人間大事だと思うんです。選択することの積み重なりが人生を形作ると思うので。
まして自力体動が制限されてる方ならば、自分で選択できることが限られてきませんか？
○時から清拭をするか否かを選ぶなら否、を患者さんは選択したということではないでしょうか。
ささいなことでいいので選んでもらうのです。
今日は清拭しましょう、○時からと●時からだったらどちらがいいですか？とか。足を拭くのと少しお湯につけてみるのとどちらがいいですか。など。
手間はかかりますが、そうやって患者さんの意思を尊重して関わっていくことで、彼なりの理由がみえてきたりすることもあるのではないですか。
彼が理由を教えてくれないのは"教えたくない"のだと思いました。
寡黙な人とありますが、言ってもどうせ聞いてくれないからと諦めていたり内に怒りが隠れているのかもしれませんよ。
単に面倒なだけという可能性ももちろんありますけど。

自分で思っていることの理由を説明するって、案外難しいこともあります。
そこをわかってあげることが、寄り添うということかなあと思います。

援助に関係ないことから話をしてみては。
まだ若いのに障害を持たれたことで、複雑な思いがおありだと思います。
何かしたい、させてほしいということを伝える前に、その方の人となりを知ることが必要かも。
どんな仕事をしていて、どんな趣味があったのか…どんなことが好きなのか…などなど、生活史をそれとなく日常会話の中で聞いてみてコミュニケーションとってみては。
援助を受けたくない思いをそのまま聞いても話されないと思います。どんな生き方をしてきた人なのか、世間話の中から知ることで、そこから、今の思いが聞けるかもしれません。

自分だったら、どんな気持ちかな？

自分が４０代で脊椎損傷。誰かに手伝ってもらえないと生活ができない。若い子が来て「体をふきましょう。」「なんでやりたくないのですか？」「理由があったら教えてください。」

「・・・ほっといて。なんで説明しないといけないわけ？」と、自分でも思いませんか？
相手は、きっと、栄養ドリンクさんの２倍人生を生きているので、相手が何を考えているのか分かっています。実習のため体を拭いてノルマ達成したいだけ。そんな事、とっくに見透かされています。

逆に、質問をしたい。なぜ、体を拭かないといけないの？なぜ、今日が、全身清拭の日なの？

その患者さんは、脊椎損傷する前は、何日間隔で入浴をしていたかな？
お風呂は好きな人だったかな？それとも毎日シャワーを浴びていた方かな？
熱いめのお風呂が好きかな？ぬるめのお風呂が好きかな？
午前中にお風呂に入っていたかな？夜寝る前に入っていたかな？

全身清拭が嫌な理由は、栄養ドリンクさんの中では思いつかないかな？
もしかしたら、若い子に体を拭かれるのは恥ずかしいかもしれないし。まだ、４０代の若い男性ですからね。
肺炎で入院をしているから、もしかしたら、熱が下がってほっとしたのに、体を拭いたことがきっかけて、症状が悪化することを心配しているのかもしれません。
ただ、面倒なだけかもしれませんし、本当は、体を拭くのではなくてお風呂に入りたいのかもしれません。
面会の人が来るかもしれませんし、先生の回診が終わってからのほうがいいかもしれません。

全身清拭の日って何？と思ってしまいましたね。
誰が決めたの？って感じかな。患者さんに、体を拭きたい日を聞いたことはあるのかな？

まずは、相手の立場になって考えてみましょうね。

うーん…40代と若いし頚椎損傷も2年前ですよね？
年齢も若くて頭はしっかりしてるから障害の受容がまだ出来ていないんじゃないでしょうか？
全て介助してもらわなくてはならない生活、この先自分がどうなるか分からない不安を抱えているのでは？今の自分を否定しているから全てが嫌になって拒否してしまうのではないでしょうか？
家族の支えなどはありますか？
今の現状を理解していてもそれを受け入れるのは難しいと思います。
自分が働き盛りの時にいきなり寝たきりになった時の気持ちを考えるとどんなに辛いかある程度想像がつきますよね？実際になった本人はその想像以上の辛さがあると思います。
本人の気持ちを傾聴してその不安な気持ちを聞ければ少しずつ心を開いてくれるかもしれません。病院スタッフだけでなく家族の協力も必要になると思うので色々と話し合ってみてもいいかもしれません。あとは時間が解決してくれることもあるし、とにかく今出来ることはその人に親身になって関わることじゃないでしょうか？ちょっとした世間話を重ねることで徐々に心を開いてくれる人もいるし様々ですが、会話を重ねることだと思います。
日々の積み重ねで少しずつ変わっていければ良いですね。