看護師お悩み相談室

今日あった出来事です。
70代の男性で、正肘より、内側の血管がよく出ていたのでその部分を穿刺しました。
はじめ、シリンジが引けず少し角度を変えてみたらシリンジと針の接続部に逆血があったので血管に入ったたとおもったらまた引けずでもうさぐらずに抜針しました。
その後、同僚に変わってもらい無事に採血が終わりました。同僚は私の穿刺した同じ血管のちょっと上か下に穿刺したようです。
その後、しばらくして、患者さんより穿刺した少し上(2cmくらい)あたりがふくらんできたと言われました。みると、2cmくらいぷっくりしてました。
すぐに医師にみてもらい、タンポンのようなもので圧迫しました。
特に痛みもなく、圧迫も3分くらいでいつもの採血だったのですが…
私自身、深く刺したつもりはなかったのですが、角度を変えた時に動脈を傷つけたのでしょうか？
その後、採血部位はどうなりますか？幸い、患者さんも温かい方で文句も言われず、また抗凝固剤も服用してませんでした。
正直、採血が怖くなりました。

肘の血管は、３本ある中でも、特に内側血管穿刺後は内出血しやすい部位です。
ましてや高齢の方は皮膚が一段ともろくなっていますので
しっかり圧迫止血が必要です。

しかも、同じ場所での穿刺ということは、内出血の可能性がかなり上がります。
１度目の穿刺でスピッツに取れなくても逆血があったということは
血管には当たったということですから、その後すぐに駆血帯でしばると
そこからじわじわと皮下出血が広がる可能性があります。
点滴や疾患の具合などにもよりますが、可能なら、１回失敗した時は
逆の手からの採血がおすすめです。

動脈穿刺だったとしたら、スピッツに取る血液の色が鮮やかで
いつもの違いに気がつくと思います。
動脈をかすって傷つけているとしたら、針を抜くと一気にぷくっと
膨らんでくるのですぐに気がつくと思います。
静脈穿刺でも止血が悪いとぷっくり２ｃｍくらい膨らむことはあります。
実際に見たわけではないので動脈だったか静脈だったかは
判断できませんが、医者の診察結果はどうだったのでしょうか？

内出血が大きくてびっくりしたかもしれませんが、
採血をすればどの患者さんにも起こりうることです。
採血前は、患者の使用薬剤の確認はもちろんのこと
いつもの止血具合はどうか本人にたずねるようにする。
もしも動脈穿刺かも？と思ったらすぐに３０分間圧迫止血したら
採血の針自体は細いので普通の人なら止まります。
あとは患者さんに内出血後は「広がりながら治る」と説明することが
重要です。びっくりるくらい手が真っ黒になる人もいます。

内側血管は走行場所からしても動脈穿刺の可能性は十分にあるので
採血後は患者におまかせでなく、可能な限り自分の目で圧迫を取り、
止血状態を確認するくらいのつもりでいると安心なのではないでしょうか。
皮下出血は誰にでも起こりうることなので、
慎重に採血をするのはもちろんのこと、内出血が起こってしまったら
その後の対処をきちんとすれば不安は減ると思います。