看護師お悩み相談室

デイサービスでの投薬の相談です。
７３歳の糖尿病の女性で食前薬として昼食前に「グルコバイ」を服用、アピドラ
２単位を注射しています。

デイサービスの利用は午前中です。
先日、朝食後の血糖値をデイに到着して間もなく、１０時頃に測定したところ、
９８ｍｇ/dlでした。
この状態では約１時間半後の昼食時には更に血糖値が低下している可能性があると考えました。しかし、体調は良いとのことで、ブドー糖を飲んでいただく値
でもないと思います。
先輩に電話で相談したところ、一時的なことだから、いつもどおりで良いのではないかとのことでした。
いちいち、主治医に連絡できる訳ではなく、はがゆい面もあります。
そこで、昼食が運ばれる寸前にアピドラを注射し、グルコバイを飲んでいただきました。そしてすぐに、昼食を食べていただき、体調が悪くなる場合は、ケアマネなどに連絡をと話し、連絡ノートにこのことを記載し、その後問題なく経過したようでした。
グルコバイの文献には、「食事療法・運動療法に加えて，経口血糖降下薬またはインスリン製剤を服用している人は，服用の際の空腹時血糖値が140mg/dl以上を目安として処方されます。」とあります。これは、140mg/dl以下が何度かある場合は、医師が薬について判断するということなのか、１回でもあれば、その時すぐに主治医にケアマネを通して連絡して、指示を仰ぐべきなのか、教えていただきたく相談させていただきました。
糖尿病の人に対しての臨床経験がなく文献による勉強のみで不安です。
よろしくお願いいたします。

昼食前に血糖を測って、140以下なら医師に報告し、指示を仰ぐべきだったと思います。今回は、せっかく良いところに気が付いて、薬を調べるところまでいったのに、結局は見切り発車の投薬と注射をしてしまったということで…、今回の学びを次回にぜひ活かしてくださいますようにm(__)m。

食前血糖測定して、医師に報告すれば、ｲﾝｽﾘﾝの単位数について指示があったと思います。

病院ではないというところが悩みどころですよね。病院なら一言医師に聞けば済む話です。
「こんなことでわざわざ電話する」という抵抗感、よくわかります。

デイでの血糖チェックは指示だから行なっているのでしょうか。ケアマネを通して低血糖時の指示もあらかじめ確認されておくのがいいと思います。

私も高齢者施設で働いていますのでこのようなケースに悩む事がありますが、私なら相談者さんと同じ対応をしたと思います。
数字だけではなく、症状があるかどうかは大事です。そしてその人の普段の血糖値は？朝食は普段通り食べて来たのか？シックデイではないか？また、その方のコントロールの程度や合併症やら低血糖歴やら背景などを、トータルにみて考えます。
140mg/dl以上の目安はあくまでも目安です。１回でもそれ以下があれば…というほど厳密にならなければいけないなら、高齢者が在宅で療養するのはかなり難しくなりますね。でも、１回でもかなり血糖が下がって重い症状をきたしたような場合は即、検討されるべきでしょう。
だからケースバイケースです。

特に問題がなく体調も安定している方なら、アピドラは超速効型だし、しかも２単位（少ない）、グルコバイは食後高血糖を抑えるものなので、昼食前に低血糖になるほど下がる心配はそんなにないかと私なら考えます。が、それが正解かどうかはここでは判断できません。
デイでの活動（入浴するとか作業だけとか）によっても影響があるでしょう。どうしても気になるなら、了承を得て昼食前にまた血糖チェックしてみることもあると思います。

一概に数字がこうだからこう…と言えるものではなく患者さん個々の状態によって変わる、と捉えたほうがいいのではないでしょうか。
これは血圧のコントロールについても同じです。教科書では高血圧でも、その方にとってはそれでいい場合があります。

ご回答、ありがとうございました。
お礼が遅れてしまったこと、お詫びいたします。

＜2010年10月15日　受信＞
件名：無題
投稿者：匿名様
ご回答、ありがとうございました。
本当に、見切り発車の投薬と注射でした。
この経験を次回に生かしたいと思います。

＜2010年10月16日　受信＞
件名：無題
投稿者：みお様
ご丁寧な回答に感謝いたします。
「数字だけではなく、症状があるかどうかは大事。その人の普段の血糖値は？朝食は普段通り食べて来たのか？シックデイではないか？また、その方のコントロールの程度や合併症やら低血糖歴やら背景などを、トータルにみて考える」
「デイでの活動（入浴するとか作業だけとか）によっても影響がある」…など、
非常に参考になりました。
本当に、一概に言えるものではなく、その人その人の状態により対応を考える…これが難しいので、更に勉強が必要ですが、捉え方として、心がけたいと思いました。
繰り返し、ご回答をかみしめて日々に生かしていきたいと思います。
本当に、ありがとうございました。