循環器の新人ナースです。
CTO(慢性完全閉塞)についての質問です。PCIを施行した患者さんのカルテにこの略語が載ってあり、調べました。
完全閉塞した冠動脈先は側腹血行路により血流が保たれていることが多いと学びました。そのような場合でも側腹血行路ができるまで時間がかかると思うので心筋の壊死は考えられますよね?
また、CTO≒陳旧性心筋梗塞と考えていいのでしょうか?また陳旧性で症状がでないのが不思議です。詰まる冠動脈の番号の違いなのでしょうか?
質問ばかりで申し訳ありませんがよろしくお願いします。
CTOはご存知の通り、冠動脈が100%完全閉塞した古い病変です。
プラークが破裂して急激に心筋が虚血に陥る急性心筋梗塞とは異なり、ジワジワと血管内が狭窄し閉塞に至ります。
徐々に血管が狭くなるわけですから、十分に時間もあり、その間に心臓は、足りない栄養を補うために側副血行路を作ります。
しっかりと発達した側副血行路があれば、他から血流が得られるので、心臓は栄養不足には陥らず、完全な心筋虚血には至りません。
側副血行路がしっかりしていなければ、狭心症の症状は起きるかもしれませんが、心筋壊死までは、なかなか至らないと思います。
よって、CTO=心筋梗塞ではありません。
ただ、糖尿病や高齢者の方は、痛みを感じにくいため、無痛性の心筋梗塞により、いつの間にか心筋が壊死していて、心不全を発症してから初めて心筋梗塞だと分かる場合も珍しくありません。
それはまた、CTOとは別の話になりますが…
急な胸痛を主訴に来院され、カテーテルの結果CTOだった場合は、他に原因がある場合が多いので、スパズムはないかなどの注意が必要です。CTOは強く石灰化した硬い病変なので、PCIを行うにもリスクが伴います。
側副血行路がしっかりしていれば、治療しないケースも多いかと思います。
私は、どちらというと心臓血管外科の患者さんを看ることの方が多いので、内科は弱いんですが、参考になると嬉しいです。
まずは返信送れて申し訳ありません。
なるほど!と思わずいられないくらいわかりやすい解説ありがとうございます。日ごろの勉強の積み重ねの差を感じてしまいました(苦笑)。私も1ヶ月前まで心臓外科のナースでしたが中々勉強がすすまず・・・。いい刺激になり、自分の知識にもつながる返答に感謝です!
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