両下肢にリンパ浮腫のある方がいます。
①リンパ浮腫は基本、暖めてはいけないと思いますが、その方は膝に痛みがあり、理学療法士より膝の温熱の指示が出ています。「患部を温めなければいいのではないか?」といわれましたが、患部付近を暖めることによって血行がよくなり血流量が増え、血流量が増えると、体内での代謝活動も活発になり、最終的にリンパ液量も増えるのではないかと私は思いました。実際はどうなのでしょうか?
②Drメドマーという下肢のマッサージをする機械があります。リンパ浮腫には効果的ですが、浸出液が出ている方でも行ってよいのでしょうか?
③リンパマッサージは、基本末梢から中枢へと習いました。しかし、リンパ浮腫の場合、中枢から末梢へという文献を見つけました。リンパの走行にそって行ったほうが良いと思っていましたが、どちらが正しいのでしょうか?
色々な文献を調べましたが、はっきりとした答えは見つかりませんでした。分かる方がいましたらよろしくお願いします。
初めまして。リンパ浮腫についてですが、温めるということは、確かに血液量はふえ、リンパ液も増えるとおもいますが、リンパ節郭清されているとすると、リンパ節で処理しきれずに浮腫んでいるわけですので処理的には負担となることも考えられます。温めてもよいとおもいますが、温めすぎないことがよいと思います。
ドクターメドマーはすみません、よくわからないのですが、リンパ浮腫の患者さんで自身で購入した方がいましたが、意味なかったとのことです。リスクを考えると行わないほうがいいかもしれません。
リンパ浮腫のマッサージは難しいです。きちんとしたセラピストが行ったほうがよいと思います。基本的には中枢から徐々に末梢へ向かい、末梢から中枢へとまた戻ります。 ただし、両下肢のリンパ浮腫ですと、鼠径のリンパ節が使えませんので、鼠径へ向かってマッサージしても意味はなく、腋窩リンパ節へとながすこととなります。
マッサージを行うことも大切ですが、基本的には弾性着衣などをはいた上で圧迫下での運動療法を行ったほうがよいと思います。
長々と失礼しました。
ドイツで学んだリンパ浮腫療法士の者です。
①患部を温めることに関しては、肯定も否定もできません。温めても大きな問題はないと思います。ただ、蜂窩織炎が起きている時は、温めないでください。
②空気マッサージ機器が、リンパ浮腫の容積減少に有効だというエビデンスは乏しいです。いまだに多くの病院で使用されていますが、浮腫減少効果はほとんどありません。ちなみに、世界最大のリンパ浮腫病院であるドイツのフェルディクリニックでは、使用されておりません。
③リンパマッサージを行う手の動きは、常に「末梢から中枢」です。ただ、最初にリンパがうっ滞している中枢に近い場所(鎖骨付近、腋窩、鼡径部など)から始めます。リンパマッサージの効果はその有効性に議論が多く、あまり効果が無いと言う方もいます。一方、商業的に(要は金儲けのために)リンパマッサージを強く推奨する方もいらっしゃいます。
こんさんもおっしゃっているように、最も大切なことは、適切な弾性着衣などを身に着け、患部の清潔を保つセルフケアをきちんと行うことです。
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