精神科では長期入院患者さんの退院支援・家族支援が大切であるということはわかるのですが、受け入れ状態の悪い家族へのアプローチに戸惑いがあったり、どう関わって良いのかわからないこともあると思います。家族支援について精神科で働く看護師の皆さんが戸惑いを感じる具体的なケースにどのようなものがあるか教えて下さい。
急性期患者さんでの家族支援で困るケースもあれば、教えてください。
よろしくお願い致します<(_ _)>
家族支援ですね。
私の尊敬する先輩は、過去250床クラスの病院で2000年前後の時期に長期入院患者様を2年間で80人近く地域へ退院させるという実績を作った看護師長がいました
といっても、その背景にはパトレシア・アンダーウッド先生や精神科の専門看護師などの関わりがあっての数字だったようですが・・・
結構、昔ですが…私がその先輩のいる病院で支援したときは…「家族の疾患の理解のなさ」であったり、当事者の想いと家族の想いのズレ。または「自己決定」や「自己責任」の放棄で集約できるかと想います。
精神疾患…というか…「生きていきづらさ」
いわゆる…ハリー・スタック・サリバンのいう…「生の困難」において、入院するまでに
当事者、家族共に巻き込まれ…対処しきれずに社会生活や対人的プロセスにトラウマを抱えてしまい…抵抗性につながっているケースが多かったです。
そんななか…
患者さんも被害者であったり、家族も被害者でありお互いのニーズを調和する作業がとても困難だった記憶が残っています。
また、、「医療へすべて任せる!」「完全に治してもらわなければ困る!」などといったような…家族や当事者もおり、自分自身や自分の家族に対する「自己決定」や「自己責任」を返していくプロセスが非常に難しかった記憶がありますね。
お互いが「こうすべき!」と支配的概念にとらわれ(たまに、医療者そのものにもそういった概念で押進めようとする人もいますが…)…やはり入院している当事者の方が「弱者」になってしまうケースが多く、当事者の代弁者として動いたり「家族」−「当事者」とのパワーバランスとでもいいましょうか…
うまく表現できませんね。
とりあえず、トラウマの解消作業から対処方法の模索。家族システムの見直し。経済的側面の配慮。疾患に対する理解などなど…多岐にわたり、苦悩した覚えがありますね。
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